こちらは、なんだかちょっと秋模様です。
先々週、雨が降りました!
雨のザーッって音と、それよりもこどもたちのすごい歓声で。
こっちは、全然雨が降らないので、みんな雨が大好き。
雨が降ると、こどもも大人も、「ヘルー(すてき)」といってます。
それもたいしてなんともならなくなりました。
ここではそれが普通だしなあ。
職場の職業訓練校も、9月末から授業がはじまりました。
最初の1カ月、オリエンテーションで、自己紹介・他己紹介から始まり、
一通り色んなコースを順番に体験していきます。
そして、やる気がないなあと思われていた先生たちも、
おおっ!ちゃんとしてます。
ここで働き始めて8カ月。
始めて授業をしているのを見た先生もいました。
やる時はやるじゃんと思って、「すごくいい授業だったよ」と言ったら、
まあね、みたいな感じだったけど。
とそんな先生ばかりでなく、すばらしい先生も。
その名はスレイマーン!(右のピンクの人)
今までに、学校や大学や会社や旅先やいろんなところで、
「すごい人に会えたなあ、この人に会えてよかった」と思う人は、もちろんたくさんいたんだけど、スレイマーンは、本当に、会えてよかったなあと思う。
ヨルダンは学歴社会なので、大学出ではないスレイマーンには華々しい将来は多分ない。
でも、彼は本当に教育者なんです。
まず、手を挙げない。(ヨルダンは、普通にたたきます。学校の女の先生も、棒をふりまわしてる)
怒鳴りあげない。言い聞かせる。生徒と話をする。生徒の話をきく。生徒の心に寄り添う。
これだけ書くと、日本にはたくさんいらっしゃると言われそうですが、ヨルダンにはそんな先生はあまり、滅多にいません。
今日、スレイマーンの教室で、最後に「今日、何を理解したか、一言でもいいから言ってから帰りなさい」となりました。
でも、最後まで5人くらいは、何も言わなかった。
「じゃあ、何でもいいから感じたことをいいなさい」となって、一人一人帰って行きました。
残ったのは、一人ムハンマド君。
彼は、言葉を言おうとしても震えて発することがなかなかできなかったんです。
スレイマーンは、「こわがらなくていいから、名前を言って。どこに住んでる?」と聞きました。
なんとか、ムハンマドは答えて、スレイマーンは「恐がらなくていいんだよ。自分も以前はそうだったけど、ゆっくり練習したら今のようになった。ちゃんと言えたよ、偉いよ。」と肩を叩いていました。
そのスレイマーンの姿勢と、ムハンマドの目がちょっとうるうるなってて、うちも涙が出そうになりました。
多分ムハンマドに、これまでそんな風に接した人があまりいなかったんだと思う。
うちも、ちゃんと成長しないとなあ。